「第1話〜13歳のマイラ〜」
外では魔獣のさえずりが聞こえ、朝を知らせる。新聞配達員がまた魔物に遭遇して撃退スプレーをかけまくっている。皆、まだ起きていない。
いつも通りの朝。何だか肩が寒いような気がしてならないが、寒気より眠気だと思い頑張って寝ようとする。しかし、やはり寒気に負け、少し
めんどくさそうに自分で毛布を被る。あぁ、最初からこうすれば良かったとしみじみ思いながら寝ようとしたら、いつのまにそんな時間になった
のか、タイマーが鳴り響く。「ん・・・・ふぁ〜・・・・・・くぅ===!」と背伸びして起きる。ぼぉっとする視界の中にまず飛び込んできたのは、
何の書類だろうか、多すぎて分からないのにまた混ざり合ってさらに謎になっている物や、自分が寝る時に腕を伸ばして落としたのか、赤い
インクがこぼれている。めんどくさいと思いながら、下を覗くとやっぱりね、落としてるよ。拾おうと思うがめんどくさい。
「あ〜あ、もったいなぁー。。。又、ルイに怒られるわ・・・んーーー!!」と又背伸びする。休憩部屋まで行く気力が無かった・・・と言っても
無理なんだろうなぁ。と、ルイと言われる女性に対してのこの事態説明を、ちょっと寝ぼけ眼で考えながら、洗面所に行った。
顔を洗いふいっと鏡を見ると。相変わらずの、「黒」髪、「黒」目、「肌」色である。にこっと笑って見せると、これまた見事なスマイル。
「アホか・・・。」そう言ってとぼとぼ歩き、侍女に電話で朝食を注文する。今の気分は一言で言うならば「しんだい」。
そう思いながらも、どうしたものかと散乱した机の上を片付けようと手を付け始めたその時、「おはようございます、マイラ様。・・・・・・。」
「あ・・・・・、おはよう、ルイ・・・。」先ほど言っていたルイという女性は、マイラと呼ばれた者をキッと睨みながら、「一体絶対これはどういう事
なのですか、マイラ様!?昨日あれほど、ほどほどにしてと言ったでしょう!」と言って、人差し指をマイラの顔ぎりぎりまで持ってきた。
顔をひきつり、苦笑しながら「いや、昨日は休憩部屋まで行く気力が無くて・・・。」と先ほど考えた文章を伝えると、案の定許す傾向には
向かわず逆に説教が始まってしまった。こういうやばい時に限って早いんだからと口から言葉がこぼれるマイラ。「何か?(怒)」と言って
見られたので、思いっきり首を横に振る。「とにかく、片付けましょう!ちょっと、誰か、誰か!」と侍女を呼んでいる。先ほど頼んだ、朝食を
持ってきていたらしく、朝食の事をルイに尋ねると「朝食は後です。この部屋を綺麗にして下さい。」と指示を出した。
何やらばたばたしてきたので、一時退散。
そう、私の名前はマイラ・グドゥネス。現在13歳、人間。ここは魔界の魔王城。私はあの後、魔王の右腕三人衆のラルト様に養女として
もらわれ、何不自由ない暮らしで、勉強や体術、剣術を人並み以上に極め、運良く魔将軍最高指揮官に9歳の時に最年少で就任した。
後に、どうして私が魔界に来たかというと、四大元素を操るエレメンツの炎を司る長という事が判明し、連れてこられ現在に至るらしい。その
エレメンツの力とやらで、人間でありながら魔術と変化能力を身につけ手に職を持つ事が出来た。
今向かっている先は、魔王の間。実は、9歳の時に魔王に勝手に惚れられ、勝手に彼女にされてしまった。誠に不愉快極まりないけど、
別に私の下僕状態だし、顔も性格も結構いいのでほっといている。私が本当に好きなのは、私を引き取ってくださった、三人衆のラルト様
こと父上だ。私の良き理解者でもあるし、顔・性格・体系・力・頭脳どれを取っても素晴らしい。はっきり言って、魔王は父上にふさわしいと
思う。欠点といえば、生真面目過ぎる事と人魚の母を持つのに超音痴・音感0のところ。超がつく親馬鹿で、周囲を呆れさせるが(私も)
私的には別に扱いやすいので責めないでおこう。そうこうしている内に、魔王の間に到着。
「マイラ、おはよう。昨日は残業だったのか?」と、さわやか満点の父上の笑顔でのおもてなし。ほっとする。やっぱり父上はかっこいい・・・。
そう思っていると、「おっはよう、マイラちゃん!今日も愛らしいねぇ〜。」と、肩に手を置いて話しかけてきたのは、父上の仕事仲間こと、
三人衆NO.1のギガ様だ。ギガ様は女性にはある意味優しい、ムードメーカー的存在で、私は結構友人としては好きな方だ。
「おはようございます、ギガ様。今日も元気そうですね。」と返すと、「いやいや、そんな事もないって!昨日は43番目の彼女と朝までだしさ。」
と言う。ほらね、ある意味優しいでしょ?「マイラの前で、そういう淫らな話をするな、ギガ!(怒)」と、マイラをかばう様にして前に立つラルト。
「はぁ〜・・・相変わらず生真面目なヤッツ。淫らって注意するお前も淫らじゃーん(呆)」「馬鹿!;なんでそーなるんだ!(怒)」とムキになる
父上が可愛い。別にいいんですよ、父上。マイラそんなに子供じゃないし。って言いたいけど、そんな事言ったらきっと・・・・
(想像)「なにぃ!?マイラ、それはどういう意味なんだ!ま、まさか、まさかお前・・・お前・・・嘘だー!私のマイラは誰よりも綺麗で可愛くて
天使(エンジェル)なんだー!!(泣)父上は何も聞かない!聞かないぞ〜!(;;)」と言って暴走する。ま、こんなトコかな?と想像でプッと
笑うマイラ。「おはよう・・・・扉の前で淫ら、淫らと叫んでたのはラルトか、珍しい。」と言って入ってきたのは、三人衆NO.2のニス様。魔界では
珍しい、私と同じ人間だ。無口な方だけど、この中で均等を保っている影のやり手だ。「おはようございます、ニス様v」「おはよう、マイラちゃん」
そう言って席に着こうとする。「ニス!私は断じて淫らなのではなくて!」「ふーん。」別に興味が無いと言った感じで席に着き、荷物を置く。
「ニス、勘違いするな!(焦)」「父上、落ち着いて?」「マイラ・・。」ラルトのマントを軽く持ち、見上げながら話すマイラ。「父上がそんなんじゃない
って、マイラが一番良く分かってますから。ねぇ〜?v」と言ってくるマイラに、内心キューーーン!!!!vvvvvとなるラルトだが、表面上では
ちょっと顔が照れてるだけにしておく(やせ我慢)マイラ、何て可愛いんだ。お前は私の生きる目標、愛の象徴だ!!マイラーーーー!!!!
と言って抱きついて頬づりしたい衝動に駆られながらも、「ありがとう、マイラ。マイラは良い子だねぇ(^^)」で済ませる。実は、彼は独身、
彼女暦0、マイラにそういった愛情表現をしてあげた事0のヤツなのである。何故か?恥ずかしいし、マイラに嫌われると怖いからだそうで。
「えへへ〜☆」と言ってマイラが喜んでいると、「おはよう、諸君〜。」と言って、しんだそうに一番大きな魔王の座に着いたのは、この魔界を
統べる魔王ルシファーだ。銀髪と魔王のみが許される紫の目、高貴な身分を表す長くて上向きな耳、そして一応威厳を持っていることは、
見た目で分かる。4人とも跪き、「おはようございます、魔王陛下。」と言う。ここでは、いくら彼女でも跪くのが礼儀だ。
「ん?・・・・マイラさーん!おはよう!vvv何、何、俺に会いに来てくれたのかなぁ〜?vvv」とメロメロ度もろ分かりの魔王。もはや、魔王では
なくロリコン兄さんだ。「気安く見るな、ハゲが!!」と返すマイラ。強い・・・。どーんと重くなっている魔王。まぁ、いつもの事だ。
「ひどい、ひどいやマイラさん。たまには、たまには俺にだって、俺にだって・・・・わーん!(泣)」と言って玉座に座りながらオカマのように
泣いている。こんなヤツが魔王なのだから、憎めない。マイラにだけは激弱なのである。「まぁ、まぁ、泣くなってルーちゃん!;」そう言い
ながらなぐさめるギガ。ルーちゃんなどと、呼んでも怒らないのはルシファーの良い所でもある。「ぐすっ。じゃぁ、何で来たのさ?」
「?。昨日残業してたらそのまま寝ちゃってぇ、机とかぐちゃぐちゃに汚しててさ、ルイに怒られるし、朝食STOPされるし、騒がしいから父上の
お顔でも拝見しようかなぁ〜vと思って来たのぉv」と言って、ちらっとラルトを見て、無邪気に微笑むマイラ。ちなみに、マイラは妖艶な美貌と
愛らしさを持っている女の子なので、あしからず。そのおかげで、勝手に彼女にされたけど。「そっかぁ、じゃぁどうせ彼女ここに迎えに来るんだ
ろう?来るまでここで待つか?」と言って、マイラに尋ねる。「決まってんじゃない☆」と言って、ルシファーの膝の上にちょこっと飛び乗って座る
仕草がまたラルトとルシファーの萌え度を上げる。こんな感じに、朝が来てお昼が来て夜が来て、帰れそうなら帰る。それが今の現状。
本当はもっといっぱいあるけど、それはこれから徐々に話してくから、「楽しみに待っててねv」
〜END〜