「第7話〜魔王の自然とラルトの不自然〜」

 

「マ〜イラさんv」「何よ?;」と先ほどからこの会話のまんまで止まって10分後経過。現在進行中。前回のファースト事件にて

ルシファーこと魔王は更にマイラLOVEに磨きがかかったようで、マイラを片時も放そうとはしなかった。マイラをし切りに呼んでは膝の上。

ぎゅ〜っと抱きしめたり、頬擦りしたり、頭を撫で撫でし続けたり・・・。こんな事してマイラが怒る・・・と思う方も多いだろうが、もう呆れて

怒る気もしないのかおとなしい。それに、仕事をさぼれる口実が出来たので満更でもないようだ。そんなラヴラヴ?な二人をただ見つめる

ラルトがいた。いつもよりはそりゃぁすごい可愛がりっぷりだが、いつもと大差ないと言えば大差ない行為なのに・・・すごく目が行く。

その目はいつものような”怒り”や”呆れ”ではなく、”嫉妬”でもなく・・・”羨望”であった。というのもラルトはマイラが可愛くて可愛くて仕方が

ないのに、実際父親として変に思われるのが嫌で理性で持って、いつも普通に振舞っている。魔王のように他人という立場だったらどんなに

可愛がるだろう?そう思っていたのだ。色々考えるとマイラに自然と触れられない。頭を撫でて優しく微笑むので精一杯だ。そうやって思い込んで

いるラルトの顔は、次第にマイラ達から反れて下を向いてしまう。「ハァ〜・・・;」そんなラルトの様子に気がついたのはニスだった。ニスの席は

ラルトの前というのもあるが、何となく伝わってきたのか。ニスは席を立ってラルトに歩み寄った。「ラルト?」「狽?;なんだニス、何処かミス

でもあったか?」と普通のラルトの顔だ。しかし、いつもより反応が鈍かったので、やはり何かまたくだらぬ事で悩んでいるのだろうと、ニスは瞬時

に悟った。「あぁ、ミスがあった。」「何処だ?」と聞かれたので、ラルトの背後に回り、パソコンの資料を出すふりをして、耳元で「少し話がある。

適当に来てくれ。」「!・・・・・あぁ、ここか。この議員はあの時欠席していたな。間違えて明記していたか、ありがとう、ニス。」そう上手く嘘をついて

「この書類を第二整理室に持って行きます、陛下。」「私も、少し調べものがあるので席を外します、陛下。」と続けてニスも。「分かった。いいぞ。」

そう許しを得て二人はそろった。

〜実は特別室〜

「珍しいな、ニスが私に話だなんて。」と片手にコーヒーを入れながら話すラルト。「まぁな。」しかし、ニスは普通に座っている。「ほら、飲めよ。」

そう言ってニスにもコーヒーを。黙ってカップを持ち、じぃーっとコーヒーを見つめている。「どうした?あ、インスタントだがこれは中々マシな方

だよ。私はこれだったら結構いけるんだが、お前は・・・だめだったか?」と何食わぬ顔で尋ねてくるラルトも、やっと席についた。とたん・・・

「お前また何かくだらぬ事で悩みふけっていただろう?」「(ギクッ)な、何のこ・・!;」「話があるのは、私ではなくラルトの方じゃないか。溜め込む

のは・・・・良くない。・・・・それとも?」ニスは真っ直ぐラルトを見る。その態度にラルトも話をそらせない。「私では・・・分からぬ話か?」と言って

少し寂しげ?にも見える顔つきでコーヒーを一口飲んだ。ラルトはそんなニスの真っ直ぐな態度に困惑しつつも、深い溜息を一つ。苦笑しながら

「バレバレ・・・という事か(苦笑)」と軽く言った。

〜事情説明後〜

「成る程な・・・。陛下のように周りが呆れ返るくらい自然に可愛がりたいと・・?」そういうとブッ!とコーヒーを噴いたがあながち外れでもない

ので赤面して黙るラルト。そんなラルトにニスは見つめるだけで何も言わない。「・・・ニス?;」「・・・なんだ?」「え、いや・・その・・;」{考えてるのか?

それともただ呆れてるのか?うーん;この沈黙は痛いなぁ;}と心で葛藤するラルトの気持ちを知ってか知らないか、ただ沈黙が続く・・・・。

・・・・・・・・・

{何か言えよ;}と思った瞬間。「おいラルト。お前今私に”何か言えよ”なんて思わなかったか?」「狽ヲぇ!?;」「やはり図星か。」そういうと

コーヒーをおかわり(気に入ったのか?)「悩んでいる時のお前は無防備で感情が出やすい。戦闘の時にあだになる。気をつけろ。」と話に

全く関係ないのに怒られた。ラルトちとショック・・・すると「そうだな。お前は生真面目すぎる。」といきなり本題に戻る。「そうか?あ・・でもそうかも;」

と頷く。「簡単に考えろ。街で親子連れがいるとする。」「あぁ。」「それはラルトだ。」「あぁ。」「もちろん娘はマイラちゃんだが。」「あ、あぁ;」

「人だかりがあると思ったら大道芸を披露している民がいる。マイラちゃんは興味を持ってお前を引っ張っていった。」「そんな下品な行動マイラが

するかなぁ?;」「・・・・・」「いや、すまん;例えばだよな、例えば!;」「・・・するとマイラちゃんは背が低いので見にくい。これ以上前に進めない。

ラルトならどうする?」「・・・・空を飛ぶ。」「いや、お前だけじゃないか見えるのは。空は禁止だ。」「あ、そうか;(でも羽は?;)そうだな・・・・。

マイラを肩に乗せるかな?」「(溜息)」「な、ダメなのか!?;」「・・・・マイラちゃんはもう13歳だろう?肩車なんぞされて嬉しいのか?」「それは;」

「その年の人間の娘は、自分をもう大人に近いと思っている。女性として扱われるのが好ましいのだ。肩車などされた日には幻滅だろう。」

「そうなのか?;」「自分が抱き上げれば丁度良く見えるし、マイラちゃんも女性扱いでダブルオッケーだろう。」「抱き上げる?私がか?」

「隣のおっさんにでも頼むのか?」「そんな馬鹿な!;いや、しかしだなぁ;(赤)」「その赤面がダメなんだ!」「?;」そういうとニスは立ち上がって

ビシッ!とラルトを指差した。「何だニス、指差して・・・;」「いいかラルト?マイラちゃんを自然に可愛がりたいなら、邪な心を捨てるべきだ。」

何か確信をグサリときたような気がしたが、邪と言われたら何だかちょっとムカツク。「邪だと!?」そういうとラルトはニスを跳ね返すように

立ち上がった。「邪以外の何者でもないではないか。」「何故そう言えるんだ、ニス!?」するとニスはまた黙って「何故抱き上げると言ったら

お前は赤面したんだ?考えてみたか?」「な・・・そ、それは・・・////」と挙動不審。「そう、それは足や太ももを掴む、触る。そして接近。この3つ

がお前の神経と反射を鈍らせ自然に振舞えないのだ。」「・・・そうか、な、成る程・・・;」とラルトもちょっと乗ってくる。「ラルトはマイラちゃんを

子供扱いしているにも関わらず、女性として見ている。それは何故か?ついていけてないんだよ。マイラちゃんはもうお前が引き取ったときの少女

ではない、成長をずっと小まめに見ていないお前は特にその成長を受け入れられないまま、マイラちゃんが知らず知らずの内に成長を遂げて

いる事にラルト自身がついてこれていないのだ。お前は見た目は女性なのに、子供だったマイラちゃんしか見てなかったせいで、妙な気持ち

が芽生えた。それはお前のせいだがある意味違う。」「ほ、ほう〜;何か今日はよく喋るなニス。」「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」「いや、別に

責めてないんだから、もっと話してくれ!;」とニスいきなりだんまりに慌てる。「ようは、難しいごたくなどいいという事だ、ラルト。」と言ってポンッ

と肩に手を置くニス。{じゃぁ今までの会話って一体・・?}「今、”じゃぁ今までの会話って一体”って思っただろう?そうだ、娘を可愛がるのには

今までの会話など不要。生真面目に語りすぎても何も始まらないという事を分かってもらいたかっただけだ・・!」そう言い切られたら仕方が無い。

「確かにそうだな。悩んでいるより行動する方がいいという事だな!」「そんな事は言ってないが、まぁそうだろう。戻るぞ。」「あぁ。」特別室で

熱く無駄に語り終えながら戻る二人。そしてニスが一言「キスしなければ自然に出来るだろう・・・。」「するわけないだろ!?(真っ赤)」

〜魔王の間〜

『ただいま戻りました、陛下』そう言って二人とも席に着く。「二人とも出て行った時間も同じだけど、帰ってくる時間も同じなんてねぇ〜。俺だけ

一人で寂しかったニスちゃぁ〜んvvv」と寄ってくるギガ。「言ってろ。」あっさりかわすニス。「つれねーなぁ、ニスは。なぁラルト?」「そうか?」

とケロッと答えられ何か悲しいギガは、渋々椅子に戻る。「確かに、逢引って感じですわねv」とマイラちょっと危ない関係を強要。「最近流行?

のホモってやつか?いや〜俺の部下にもいたんだぁ〜。」と魔王も乗る。「お二人だったら、確かに身長もいい感じだし、絵になるかもぉv」 

と盛り上がっている。「こらこらマイラ、そんな気持ちの悪い事で盛り上がっちゃだめだよ?(苦笑)」「まず私には妻がいるし。」と妻が居るという

発言はポイント高し。「父上ふられちゃいましたね・・。」「おいおい;」そう言って立ち上がりマイラの(魔王の)前へ。「父上?」{ここで自然に

”でも私はマイラがいるから、妻は不要だよね?”って言いながら頭を撫でるんだ!撫でろ撫でろ言え言えラルトォ〜!;}とかなり心臓バクバク。

{考えるから出来ないんだ!台詞なんてもう・・・どうでもいいさ!!}マイラの頭をガシ!!としっかり掴みかかるラルト。「????;」マイラも

困惑。するとくしゃくしゃくしゃぁ〜っとちょっとガサツに撫でながら、「マイラが妻だよネ〜↑↑↑;」と言ってしまった。一同かなりびっくり。

しかし、ラルトが一番びっくり。{馬鹿ーーー;”でも私はマイラがいるから、妻は不要だよね?”がどうやったら”マイラが妻だよネ〜”になって

しまうんだ!;これではマイラに嫌われるぅぅぅぅぅ〜〜〜〜(青)}「父上・・。」「(ビクゥ!!)!?;いや、いいいい今のはだな!;」

「嬉しい!!vvvv(ぱぁ〜)」「へ?;」そういうとマイラは魔王の膝からぴょんっと可愛らしく降りて、ラルトの両手をがっちり掴み、「私も、父上

の妻としてずっと、ずぅ〜っと結婚しないからね☆(^^)」と天使の笑みでラルトに攻撃。{妻として・・妻として・・・}という発言にエコーがかかる。

天にも昇る気持ちなのだろう。「そんなマイラ!俺との結婚は・・!?;」「そんなのあるわけないじゃん。私は今父上が言った通り、つ・まvなんだ

からぁv(ぽっ)」「ラルト!!お前その不自然な振る舞いと言動、頭でも打ったんじゃないのか!?(怒)前言撤回しろぉ〜(泣)」と魔王がうるうる。

ギガも「ルーちゃんが言ってると自然に聞こえるんだけど、ラルトが言うと何か・・何かさ・・・;本当に頭でもって思うぜ;」「確かに、とてつもなく

不自然だ;」{ラルト・・・お前はやっぱりいつものお前がいいんだが・・・}「妻・・・妻・・・・vvv(悦)」「父上の妻〜♪」「マイラさ〜ん(;;)」

{・・・・・・・ま、お前が幸せに思う道を行くがいい・・・}そう一人笑をこぼしながら、冷静に今もそしてこれからも見守るニスなのであった。

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