「ファーストを求めて・後編」
ルシファーの特訓により意外に成長していた炎冷は、初めての試合でボネスと対するも、ボネスの特性等を見抜き見事に勝利をものにした
わけだが、次の相手は自分の分身、マイラ。そう簡単にはいかない、もしくは命の危険もあるこの勝負に炎冷はベンチにて、緊張で震えが
止まらなくなっていた。それもそのはず。未来で言うならば、上司でもあり最愛の兄弟とも言える者と闘うのだから。
{何だろう・・・震えが止まらないよ。どうしちゃった、どうしちゃったんだ俺〜;落ち着け!落ち着くんだ。何の為にここまで頑張ったんだ;
でも・・でも俺本当は・・・}「ちゃん・・・んちゃん・・!炎ちゃん!」「は!?;」「どうしたんだ、顔が真っ青だぞ?具合でも悪いのか?」こんな状態の
炎冷を見逃すわけではない、ルシファー。気づいていなかったが、自分が汗だくなのを今知る炎冷。「気持ちは分からんではないが。さっき
あんなにすごい戦いを見せてくれたんだ。俺はお前なら出来ると信じてるぞ?」と励ます。すると炎冷は、自分の体の震えを抑えようと、両腕を
組んでいる。「寒いのか?」「いや・・・俺本当は怖いんだ。本当は・・・ホンット情けなくて、申し訳なくてさルーちゃんに!;でも、でもやっぱり・・・。」
と前を見つめると、馬鹿にしたかのような不敵な笑みを浮かべ、マイラがベンチで飲料水を飲んでいる。思わず俯いて逃げてしまう炎冷を見て、
ルシファーは逆にマイラにガンをつけながら言った。
「見てろよマイラ!お前の考えや行動がいかに愚かで情けないか、こいつが皆の前でお前に嫌という程教えてやるからな?!」と中指を立てて
大宣言。向こうの仲間も驚いているが、炎冷はもっと驚いていた。何て大胆な事を言うのだという顔をしてルシファーを見上げている。マイラの
顔から笑みが消えて、ルシファーをすごく嫌そうに睨んでいる。「あ〜すっきりした!マイラさん怖〜。めっちゃ睨んでるしぃ。」と満面の笑み。
最初は驚きと余計な事をという想いで怒りの感情もあった炎冷だったが、今ので確かにすっきりしたような、当初の目的をきちんと思い出した
ような、感謝の気持ちが溢れてきた。周りの係員が準備が出来た事を進行係に伝え、今まさに始まろうとしている。
「ありがとう、ルーちゃん。俺、今ので何か元気でたわ☆」と同時に、アナウンスが入り、エントリー開始を伝えている。すると、さっきまで笑って
いたルシファーは真剣な表情で、「召喚術はやはり間に合わなかったけど、使えたにしても一番魔力を使う。多分心身的にも1回が限度だろう。
後半になったら絶対に止めた方がいい、倒れるからな。自信が無かったらむしろ試さないで、徐々に徐々に少ないマイラのHPを削って
地味に勝つしかない!いいな?1回きりの大技だからな?マイラの動きをとにかくよく見ろ。相手がどんな大技使うか俺でも今は分からん。」
「・・・・分かった!ルーちゃんも、早く変化のファースト・キスの相手分かるといーね☆」とにかっと笑ってみせる。さっきまでとうって変わった態度
に一瞬驚いたが、軽く笑ってみせる。「今回奇跡の新入生!笑顔が可愛いと人気急増中のえーーーーーーーん!!(炎)Come on!!☆」
と司会に呼ばれる。「御呼びだぞ?自分の力を信じて、行って来い!」「うん、見ててルーちゃん!俺頑張るから!」と行って走って向かう。
{頑張れ、炎冷・・・!}とベンチで優しく見守るルシファー。「そして、我が校の超エリートにして、最年少で魔将軍最高指揮官就任中の鬼才天才!
マイラ・グドゥネーーーーース!!」とマイラにも御呼びが。「頑張れよ、あの新入生は手強い。」「はっ!ほざけよ。」と、仲間のルベルに冷たく
言い放つマイラ、静かにリングに向かう。「キャーーーーー!マイラ様ーーー!!vvv」と観客から黄色の声援が男女問わず飛び交う。{なるほど。
異端児だけど、やっぱり強いと人気が出るわけね・・。魔界だねぇ〜v}とのんびり魔王。ボネスの時同様、HP&MP表示の作業をする炎冷、
その時刺すような声で「お門違いも良い所ね?」「変っ・・いや、マイラ。」と見つめ合う二人。観客の声が何も聞こえなくなり、まるで世界に二人しか
いない感覚に襲われた炎冷。「貴様みたいな弱いヤツに倒されるボネスも、とんだ役立たずね。こんな試合前にガタガタ震えるヤツ相手に、何
やってんだか!」と気取って笑うマイラ。むっとして「ボネスだって頑張ったじゃんか、そんな言い方良くないよ!」「あら、敵なのか味方なのか分から
ないわ。何処までふぬけてんだ、テメェー?」「マイラの弱者は強者に従うなんていう考えは馬鹿げてるよ。こんな平和ボケしてる俺でも、頑張れば
意志を貫いて闘えるって事を証明してみせるからな!」と一歩も引かない態度にむすっとして離れていくマイラ。「ど、何処行くんだよ!?;」
と腕をがしっと掴むがマイラも驚いている。「え?」「炎ちゃん!まだ始まってないぞ!?;」いきなり周りの声が聞こえ始め、動揺を隠せない。
「熱くなってんじゃねーよ、クズが!」と振り払われ試合開始位置に立つマイラ。{そうだった、一旦試合開始位置につくの忘れてたぁ;}と赤面。
観客も歓声から笑いに変わった。「炎ちゃん・・・(青)」「それでは!試合開始〜!!」と叫ぶが、マイラは動かないでじっとこちらの出方を伺って
いる。自分の心臓の音が聞こえる。紛れも無い自分の音。また急に緊張が体を襲い、押しつぶされそうになる炎冷。「何だ、またビビリ?」
「!?;」と体がビクンっと反応する炎冷をあざ笑うかのように立つマイラ。「炎ちゃん!マイラに先制攻撃されるな!;」「遅い!!」「!?;」
{足が・・・動かない・・・!;}そう炎冷が思った瞬間、あっという間にマイラの蹴りがあごにHITし、宙を舞う。HP80%。「あら、結構丈夫なんだね。」
「炎ちゃん!!;」ゆっくり立ち上がろうとよつんばになる炎、{なんだろう・・・なんだか・・・}「じゃぁ!ジワジワなぶってあげようーか!?」
とマイラが次の攻撃を繰り出そうとするのに、炎はよつんばのままだ。「炎ちゃん!?(何してんだ、馬鹿!)」{なんだか・・・なんだか・・・俺・・・
俺・・・・}横腹にマイラの蹴りが炸裂し、飛ばされた先に瞬間的に分身を作り出し、また逆に飛ばされ、そしてまた蹴飛ばされの繰り返し。
「面白い、サッカーボールだ!!」とマイラが無邪気に笑う。本当に遊んでいるようだ。観客も笑い出した。「マイラ様のおもちゃで終わるのか、
新入生期待の星ーーーー!??」と司会者も展開を楽しんでいる。心底心配しているのは、魔王だけなのだろう。そんな空気に我慢が出来なくて
魔王が立ち上がって言った。「炎冷!!ふざけるなよ?!遊ばれていて楽しいのかー!?(激怒)」と炎を初めて罵倒する。そんな魔王の声が
聞こえないわけではなかった。ただ、無音に近い効果しかなかった。{不思議と力が出ない。やっぱり変化に攻撃するなんて生理的に出来ない
んだ。俺・・・勝てる気がしない・・・。}「何だこいつ?さっきの威勢はどこ行きやがった?」と攻撃をストップ。うつ伏せに倒れる炎の前に座り、
髪の毛ごと頭をがしっと掴むと、「殺されたいの?もっとあがいて見たらどうなの?つまんないじゃんか。証明・・。」「・・!」「証明するとかどうとか
ほざいてたじゃん。」と言い放つマイラ。「炎は戦意喪失、リタイアか!?;」と周りも騒ぎ始めた。しかし、炎にはそのマイラの言い方が、普段
自分を心配してくれていたマイラの声に似ていたのを感じた。まるで、誰かに更正されるのをマイラが待っているといった風に聞こえたのだ。
それなのにやっぱりお前もダメなのか?という意味に聞こえた。それが今の言葉の意味では無いのかも知れないが、元はマイラの分身である
炎だけには、そういう風な意味にとれたのだ。{本当は変化も嫌なのか?だって、未来の変化も過去の変化も本当は性格・価値観は少ししか
変わらないとしたら・・・}炎はいきなり立ち上がった。{そうだとしたら、ここで変化を倒さなくちゃ。変化の為に・・!!}と構え始めた。その様子
に周囲は又盛り上がり、魔王はやれやれと少し力が抜ける。{目つきが変わった・・・}とマイラも少し警戒する。「行くぞ、マイラ!!」「ハッ!
来れるもんなら来てみるがいい!」と構える。炎は片手で何度も握る仕草を繰り返し、風と水が混ざった如意棒を創り出した。その行為を、もう
片方の手にも施し、大地と炎が混ざった如意棒を創り出し、四大元素を取り込んだ不思議な武器を構えた。「はぁーーーー・・!!」とその棒を
同時に振ると、炎の渦がマイラを追いかけ、水が又逆の方角からマイラを挟むように追い込んできた。とっさに交わすが、服が少し焦げてしまった。
まだ追いかけてくるのに、少々苛立ちを感じるマイラ。{思ったより攻撃スピードが早い・・!;なんて、器用なヤツ!}下に手をついて交わそうと
すると地中から土の渦がマイラの腹にクリティカルヒットし、次に水と炎、続けて風の渦がマイラに向かってきているのに空中の為よけきれず、
見事マイラにコンボを命中させた(HP65%)四大元素が混ざり合った為、少々の爆風が白く立ち込める。「ボコボコにやられた分を取り返すとは!
見事としか言えなーい!!」と観客も沸く。「炎ちゃん、やるぅー!☆」と魔王もワクワクしてきた(おいおい、彼女は?;)
「ふぅー・・・;」{なんとか、コンボ出来たぞ〜;}と安心していると、白い煙の中から通った声で「魔獣召喚・・・!!」と確かに聞こえたかと思うと、
いきなり地震が襲ってきた。炎も立っていたのだが、あまりの揺れにふらつくのでその場に座る。ゴゴゴゴゴ・・・!!という鈍く響き渡る音と
少し電気を帯びたような音が聞こえたかと思うと、自分がいつのまにか影の中にいる事がわかった。「へ・・・?;・・・狽ー!!?;」と上を見上げ
ると、そこには頭にマイラを乗せた2つ頭の赤い大蛇が召喚されていた。会場も流石に震え上がる。「そ、そんな!?;」{あれ程の魔獣を召喚
するだと!?;あれは、学生レベルではないぞ・・・やはり腐っても最高指揮官に昇りつめただけの事はあるという事か・・・;召喚術を完成
出来なかったのは、かなり痛い・・;}と、少し魔王の顔色も変わった。「良い眺めだ・・・!お前を少しみくびっていたよ。まさか、私がこんな弱者
ばかりの大会でコイツを出すハメになるなんてねぇ。・・・私に逆らった勇気に敬意を評して・・・ここで無様に散るがいい・・・!!」と叫ぶと、
左の蛇が突っ込んできた。良く見たら薄く炎をまとっている。{近くにいるだけで大火傷!?;}と青ざめると、間一髪でよけたはずなのに、服に
引火。「うぉぉぉあちちちちちちちちち・・・・!!!!;」と駆け回る炎。急いで片手に創った棒を振り、水を出した。「た・・・助かった;」とホッと
するのもつかの間。今度は二つ一気に来た。「灰でも残ったら、拾ってやるぞ!?」と熱い勢いで迫るマイラ達。「一か八か!!;」「炎ちゃん!;」
{まさか召喚術・・・!?;}「ワールドぜんか〜い!!;」「秤スぃ!?」その瞬間、光と共にフィールドの広さが、控えベンチきりきりまでになった。
「これぞ名づけて!狭い場所を広くリフォーム!ビフォーアフターの術☆」とびしっと決める炎に、会場が沸きあがった。「いいぞ、えーん!」
「素敵ーー!!v」とファンまで出てきた。{この土壇場で、狭いフィールドでは避け切れないから、広くしてしまうという単純だが効率的なアイディア
を出してくるとは・・・。頭が良いのか悪いのか。予測出来ない・・・;}と渋い顔をするマイラの表情を、魔王が見逃さなかった。{やはりな、マイラ
は自分の頭が良い為に、自分より極端に頭が悪い(失礼)ヤツの行動の先読みが出来ず、動揺してきている!それが、炎ちゃんがマイラに勝てる
真の要素の一つ!いいぞ、炎ちゃん。そのまま自分らしく闘うんだ!その動揺が、不安要素に変わっていくぞ・・・?}と順調な炎にエールを心で
贈る魔王。「おい!左蛇(さじゃ)!右蛇(ゆうじゃ)!何をボサボサしてやがる!?アイツの動きを止めなさいよ!!」と苛立ちを募らせたのか、
吠えるマイラに大蛇もハッとする。殺される・・・と感じたのだろう。思い切り尾を地面に叩きつけると、炎の体が自然と浮かんだ「しまっ・・!;」
その瞬間左蛇が炎に頭突きし、地面にたたきつけた。内臓を圧迫されたのか、血を吐きながらリバウンドする炎に次は右蛇が噛み殺そうとする
勢いで迫ってきた。「炎ちゃん、逃げろ!;おい、審判!死者を出す気か!?(怒)」と審判に講義しようと思ったが向こう側のベンチから冷静な声
が聞こえた。「やめろ。あいつはただここまでノコノコ出てきたわけではないのだろう?」「お前に何が分かる、ルベル!?」と言っている間に右蛇
は炎を噛み殺すはずだったのに飲み込んでしまった。「お〜っと!どうした事か!炎はマイラ様の魔獣に召し上がられてしまったというのか!?;
審判、これは・・・;」と司会者も戸惑っている。「やっぱりなぁ、マイラ様に適うわけないんだよ〜。」「私たちみたいなレベルなのに、マイラ様に反抗
するから・・。」と、さっきまでファンまで出てきていたのに、あっという間に弱肉強食主義に賛同する観客。「こんなものだ、ギャラリーなど。強者に
ばかり影響されて自らの意志で強くなろうともせず、ただ喰われるのを待つのみ。そんな奴等に逆らうなどという考えを持たせるのは、確かに
マイラの言う通り、どうかと思うがな。」「な!?;」「それよりも、あの炎というヤツはこのままだと中で・・・。」「は!?おい、マイラ!!」「ん?」
と魔王の方を向くマイラ。「炎を出せ!死んでしまうぞ!;」「何言ってんの!あっちが先に飛び込んで行ったのよ?もう勝てないと思って、
自殺をはかったんじゃ・・・!」「殺すぞ。」「!?;」魔王の、魔王ならではの殺気を感じるマイラ。{何こいつ?このものすごい殺気と魔力!
只者じゃない・・・なんで・・・なんでこんなヤツがここに!?;}「・・・・右蛇、出してやりな。」と言うと、右蛇はじっとしているが、中々出てこない。
「まさかもう骨になってしまったのか!?大会始まって以来のアクシデント発生になってしまうのかー!?」と皆見守るが、出てこない。魔王の顔
も青ざめる。「え?;・・・・。」あきらかに何かを感じ取ったマイラがうろたえている。「どうした!?早く出さないか、マイラ!!(怒)」と怒鳴った魔王
の顔を、ゆっくりと視線を合わすマイラ。「・・・・炎が・・・出るのを拒んでるの;」『何ーーーー!??;』「なんという事か!自ら飛び込み、マイラ様の
御慈悲で出してもらえるチャンスを断る炎!彼はやはり自殺願望者だったのか〜!?;大会としては、生存が確認出来るなら無理にでも生還して
もらわなくては困るのですが・・・;」と大会の進行係・審判がざわめき始めた。{どういうつもりだ炎冷!;おいおいおい、未来のマイラさんに顔向け
出来ぬではないかー;}と冷や汗が出てきた魔王。
〜腹の中〜
「うっひゃー;すっげぇ胃液;とっさに噛まれるのが嫌で飛び込んだはいいけど、いつまでこの防御魔法がきくか・・・;」炎は、胃液に一応浸かっては
いるものの、とっさに防御魔術(バリアー)で保護した為、何とか生きていた。しかし、バリアーの為吐き出される事は不可能になっている。
「うーん;どうしよっかなぁ〜?きっとルーちゃん今頃未来の変化に何て言うか、もしくは、どうごまかすか考えてんだろうなぁ〜(苦笑)」
まさしくその通り。「まだ一応闘えるわけだし、早くしないと大会終わっちゃうし〜
・・・・このまま出てってもやられるだけだしなぁ;大体反則なんだよ、こ〜んなでかい召喚術変化も使えるなんてさ!(むすっ)俺だって出来たら
きっと・・・!・・・・確か残りのHPは45%だけど、MPは50%残ってたな。・・・・一か八かだ!!」と構える炎だが、早く出ることをオススメしたい。
〜外〜
「えー・・・進行委員会の決定を発表致します。炎選手が自らの意志で飛び込み出ないというのは、何か作戦あっての可能性もある為、試合終了
後25分まで出てこない場合は、そのまま優勝者をマイラ様に決定し、炎選手を特殊な魔術にて回収致します。この場合、自らの意志で飛び込んだ
為、マイラ様及び大会への責任は一切を担いませんので、宜しくお願い致します!との事になりました。」「秤スだって!?;」「お気の毒ねぇ〜」
とアシュネも魔王に語りかけてきた。「〜〜〜大体!ルベル!貴様がごちゃごちゃ話しかけてくるから、あの時審判に待ったくらい言ってもらえば
だなぁ〜・・!;」と責任転嫁。「・・・・敵の言う事をいちいち気にかけるのが悪い。」「ぐ・・・;(確かに)」「アハハハ!可愛い〜vま・あの子はあの子なり
に頑張ったんだからさ。マイラ相手によくやったわよ。」「ほんまやで。」とボネスが出てきた。「あらボネス、もういいの?」というアシュネの声も聞か
ないで、真っ直ぐ魔王を見ている。「俺は・・ほんまはマイラの理屈に気に入らん点があったんやと思う。けど、俺は頭もあいつと違ごて悪いから、
よう上手く言い返す事出来へんと、頭偉いヤツが言よるから正しいんかなって思う事にしとった。でも、俺は炎の真っ直ぐな態度と向き
おうてこいつの考え方が出来たらええなって思えた。だから炎に負けても悔しいとあんまり思えへん。当たり前やと思う。・・・でも、あいつはあんな
偉そうな事言うてこのザマやなんてふざけんなや!!」とベンチに足を思いっきり乗せるので、びっくりする。「俺は、負けてきっとアシュネも、ルベル
も、もちろんマイラにも情けないヤツ思われてるんやと思う。」「ボネス・・・;」「・・・ようは貴様は俺達の考えよりも、あの甘い戯言を突き通した炎に
肩入れすると?」とルベルが冷たく言い放った。その視線が余りにも感情が無い冷徹なものなので、負けそうになるボネスだったが、「俺は、あいつ
がここでこのまま負けるとは思わん。だから・・・!」とボネスが魔王に歩み寄ってきた。「お〜っと?ボネス選手怪我は回復したもよう、それなのに
敵ベンチに歩み寄っているのは何事か〜!?;」という司会者の余計な台詞でマイラもその現状に気づく。「ボネス?」とかなり驚いた顔をしている。
「マイラすまん。俺がお前にずっと友達やのに言えへんかった事が、炎ってヤツに変わりに言ってもらうわ。えっと・・・ルシ・ルーって言うたか?」
偽名なので反応に遅れる魔王だったが、慌てて「そうそうそう!;それそれ;」と危なっかしい。「ここで一緒に応援させてもらえへんか?」『!?』
「異例も異例!なんとボネス選手、炎選手の理に惹かれ敵の応援に回ったー!」とざわめきが聞こえる。「あのボネス様が炎の理につくだなんて!」
「マイラ様はいつも我々をモノとしか思っていない点では、前々から・・・;」と、隠れていた本音が飛び交う。「貴様等!!!!(激怒)」『!?;』
「この私の理よりも、私のペットの腹に飛び込んだ愚か者の理を信じるというのか!?片腹痛てぇんだよ!(激怒)」と怒りのオーラでマイラの
立っているフィールドが炎で少し燃え始めているのに、皆絶句する。{愚かな・・・マイラ、お前どうしてそんなに・・・}「お前は間違っとる。俺は今は
もう間違ってへん。」「何だとぉ?(怒)貴様、この試合終わって貴様等の信じた炎とやらが腹から出されたら、炎を魔将軍権利で灰に変える!
その時が貴様等全員の最後の時だと思うがいい・・・!!」とマイラが叫ぶと、許しを請う声や、逃げようとする声が飛び交った。「それはお前が
勝った時の空想話か?」と魔王も前に出た。「いずれ現実になる・・・。」「あいつは負けない!最後まで・・・!!」という魔王の声が響いた。
やはり魔王の声というのは、魔族は敏感に反応するのだろうか。自然と皆魔王に従うような気持ちになり、観客達も静まり始めた。
「本当にいけすかない野郎ね!!?もう後10分しか無いんだぞ?これをどうや・・・!!」とマイラが続けて言おうとした瞬間。大地が先ほどの
マイラの召喚よりも更に大きい、大地震並の揺れが起こった。「な、何!?;」「会場の皆様、落ち着いて下さい!席を動きますと防御魔法の
効果が消えますので・・・」というアナウンスも流れている。「炎ちゃん?」「え?ど、何処や?!おらへんで?;」とボネスが周りを見渡す。しかし、
ピーン・・と糸で繋がったような感覚に襲われたルシファー。{この感じは・・・}その瞬間紫色の濃厚な霧がフィールド全体を包み始めたかと思うと、
「右蛇!!?;」というマイラの声が霧から聞こえてきた。その声を合図のように、巨大な翼が霧を払いのけるかのように現れたのは、巨大な
黒い龍であった。晴れた霧の中にいたマイラの大蛇は、2つ頭ではなくただの1つ頭の大蛇になっていた。左蛇の横にいた右蛇の首が根元から
破裂したかのように裂け、ただれている。そしてその黒い龍に仁王立ちで立っているのは・・・「じゃじゃーん☆正義の理!炎、只今大復〜活!!」
とVサイン。「な・・・なんだこの龍は・・・;こんなレベルの龍は・・・・魔王クラスしか扱えないはず・・・・;」「立場逆転だね、マイラ。うっひゃー;
本当にここから見たらちっさいわぁ・・・。」「(むかっ)何ですってぇ〜!?」と威嚇するマイラだが、左蛇はあまりのスケールの違いに威嚇すら
出来なくなっている。「魔獣は悟っているんだな、敗北を・・・。それにしても、初めてできたにしては上出来だなv」と上機嫌の魔王、余裕の笑み
と言いたいところだが、内心は・・・{あーまじやばかった、やばかったぁ;あんな信じる!みたいな事言ってたけど、か〜なり半信半疑だったしね;
フゥーーーーーーーーーーーーーーーーー;;;}とまぁ、こんな感じ。「あんな魔獣というか、龍やなんて・・・まるであいつ魔王様みたいやな・・;」
「狽ャくぅー!!;まるでだな、アハハハ;ま・る・で☆;」とまたまた変に動揺。「マイラの言う事は少し当たってるかもしれない。でも、それだけで全てを
決め付けて、頑張ってる奴等をけなす権利なんて無いんだ!」「ふざけるな!頑張る度合いが全然違うんだよ!弱い事はこの魔界で死を意味する
事くらい、貴様等魔族が身にしみて解っている理だろうが!死を意味されている時点で、この世にはいらない存在という事だと自覚しろっつーの!」
「この世に・・・・いらない存在?」と炎が少し勢いがおさまる。「そうよ!いらないのよ、その時点でね!だって、この世に必要のある人材は、死ぬ訳
にはいかないから、それなりに強いもの。魔将軍や三人衆様方が生きても、歩兵や魔物は死ぬ。100名死んでも代わりがいなくなった例がない!
代わりが必要で無いのが強者!必要の有る、死んでもいいモノは弱者って、そう決まってんのよ!そういう弱者が集まって、自分等が強くなれない
のを言い訳に妬んだり、逆らったりするのが気に入らないのよ。だから、格の違いを思い知らせてるんでしょ?」と優位そうに言うが、「でも、その
弱者って言ってたモノに、努力したって無駄だって言ったモノに、今追い込まれてるのはマイラなんだよ?」と言う炎の顔はいつもの炎と違い、
真剣そのものだ。{解って欲しい。変化は本当は優しいんだ。きっと昔嫌な事があったんだ。昔の話を変化がしたがらない理由が今、解ったような
気がする。もうなるべくすぐ終わりにするから}「するからさ、変化。いや、マイラ?」「何をするって・・・!;」「解って欲しい。」「!?」と言った瞬間に
炎はその黒龍を操り、一瞬にしてマイラの魔獣を尾で踏み潰してしまった。「うわぁ〜!;・・ちっ!」上手く着地し上を見た瞬間に、黒龍の足が・・
「あ・・・・(死ぬ?)」その瞬間、審判の待ったという声が入った。この大きさの龍相手では、戦闘不能とみなしたのである。その判断は間違い
なかった。マイラは現実を受け止められないように、ポツン・・・と座り込んでいる。「私の・・・負けだ・・・・。」と言った瞬間。会場が一斉に沸き
上がり司会者が優勝者炎の名を大声で上げた。その瞬間に龍はポン!!と消えて、思いっきりマイラの前に落ちた。「時間ギリギリセーフ;
マイラ、大丈夫か?」「え?」と敵であるマイラに手を差し伸べようとするが、力の消耗により倒れこむ。そこにルシファーやルベルが駆け寄り、
二人を起き上がらせる。司会者が適当にナレーションをしている中、炎達は・・・
「やったぜ炎ちゃん!!可愛い!偉い!最っ高だぁ〜〜!!!vvvv」とまるで子供を持ち上げるかのように炎を高くかかげる魔王。少し照れながら
「おい、やめてくれよルーちゃ〜ん///ん?ボネスじゃんか!」「え・・・あぁまぁな。」とバツの悪そうな顔をしている。魔王におろしてもらって満面の
笑顔で「もう傷は大丈夫なのか!?信じてくれてありがとな!マイラはいいやつだから、きっといつか分かってくれるよ。」「あぁ、ほやなぁ。でも・・」
「ボネス。」『!?』そこには、またボネス異常にバツの悪そうな顔のマイラがルベルに支えてもらいながら必死に立っている。「・・・今はまだよく
解らないけど・・・お前がちょっと信じてみようって気持ちもわからないでもねーからな!;その・・少しは検討するから、こっち・・・帰ってくるなら
今回の事大目に見てやるよ・・・(溜息)」と照れているのか、顔を見ないがもう怒っていないようだ。「マイラ・・・。」「勘違いすんじゃねー!;私は
今回一応負けたから今後の為に・・・!(赤)」「マイラさん・・・もぉ可愛過ぎーーー!!!!vvvv(><)」と、少しまだ幼いマイラに本当はかなり
欲情していたのに手を出すに出せなかった分が爆発した魔王が・・CHU-----------vvvvと、マイラがばてて動けないのを良い事にキスして
しまった。『あーーーーーーーーーー!!!?;(青)』マイラは一瞬ポカンとして石化している。「ルーちゃん!?;」「いいじゃんか、めでたいん・・・!」
と言った瞬間に、顔を真っ赤にして怒っているマイラの顔が・・・「逃げるぞ、炎ちゃん!;」「えぇ!?;そんないきなり・・・!」と炎を抱え上げて
「ほんじゃな、その調子で頑張れよ!」というと、一瞬で呪文を放ち、時空に逃げた。
「な・・・・;一体何だったんだ?;」「私のこの怒りはどこにやればいいんだよぉー!?(怒)いつか会ったらただじゃおかねー!!!!」
〜戻ってきました〜
「もぉいきなりなんだから;ちゃんとお別れしたかったしぃ。」とブチブチ炎冷に言われながら歩く魔王。「トロフィーとか賞金とかあったかもしれない
のにさー!あぁーー!!俺の努力の勝利がぁ〜(泣)」「まぁまぁいいじゃないの。勝ってマイラを更新する事が出来たわけなんだしさぁ。これで
お前の目的も果たせて・・・目的・・・・俺の・・・・ってあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜;;;;;ファースト・キスの相手〜〜〜!!!;」「あ!すっかり
忘れてた;」「今すぐ戻って聞かねば・・・!;」と何処に走って行こうというのか?バタバタする魔王をつかみ「無理だよ。あの数分後に上手く
飛べたとしても・・・すっごく怒ってると思うよ;」「う・・・;た、確かに・・・;」と暗くなる魔王。「あーあ。長い旅だったのに、当初の目的が達成出来ない
なんてなぁ〜(溜息)」と二人で沈み始めていると。「何してんの?」と聞きなれた声が。『わぁーーーー!!!;』「な、何よ!?;」と現代のマイラ
である。あんまり二人が動揺するので怪しい目で見ていると「さっきはごめんなさい!;出来心で・・・!;」と魔王が土下座している。よっぽど
マイラが怖いのか・・・?「さっき〜?今日会ったのはルシファーとは初めてのはずだけど?あんたは魔王命令で朝からいなかったし。まさか、
サボってどっか行ってたの・・・?(怒)」『滅相もございません!;』と二人とも同時に土下座しながら言う。そんな中、コソコソと炎冷が
「ルーちゃん。何だかこのままじゃお話のタイトル変えなきゃいけないからさ、ちょっと怒られるの覚悟で聞いてみようよう〜;」「何!?;し、しかし
だな・・・;」「だって、気になるんでしょ!」「うー・・・・;あのぉマイラさん?;」「何よ!?」と腕を組んで怖い。「変化のファースト・キスってさ、誰!?」
と炎冷が勇気を振り絞って聞いてみると、「なにぃ〜?ファースト・キッス・・・・?」と顔が曇っていく。まずい、怒られる・・・!と悟って逃げ足をとる
二人に意外な答えが・・・「学生時代。私って結構荒れてたのよ・・・。」『は?』と逃げ足をとめて、黙って聞く二人。「昔人間だった事で散々意地悪
とか不満言われてね、私が物言わぬ・虫も殺さないようなお嬢様時代に。私強くなって分かったのよ。あぁ、強いと皆が意地悪もしないし、不満も
言わないんだって。それが楽しくて、楽しくて・・・でも、ある卒業まじかの最後の学校行事、トーナメントで変な新入生2人が来てさ、強いの何の
って!・・・・その時は負けた事なんてないし、反抗された事も無かったから”弱者組のくせに!”って思ってたけど、それが私が負けたのよ、特に
馬鹿なのか冴えてるのか解らないヤツに!!」{それってぇ・・・;}{俺の事、変化?;}と聞き覚えのありまくる事を言い、「私が改心しようかなって
思った瞬間にね!瞬間によ!?その片割れがさ、何かおかしいと思ったけど、私が動けないのをいいことにキスしてきやがったの!(怒)
もぉそれが気持ち悪いとかよりも、恥ずかしくて恥ずかしくてやってられなかったわぁ〜!(怒)いつかそいつを引きずり出してボロボロにして
やるのが私の隠れた夢なのよ!!・・・・だから言いたくなかったの(照)」と、一通り終わる。「ルーちゃん・・・。」「あぁ・・・。」
『やったぁ〜!!』といきなり二人は大喜びし始めた。良かったね、と言い合う二人に、最初は混乱していたが、だんだん腹が立ってきたマイラは
「人が無理やりキスされたのに・・・・(怒)馬鹿コンビーーーーーー!!!!!(激怒)」その瞬間、3年間で腕の上がった
攻撃は二人に集中し、その場をイライラしながらマイラは立ち去った。「生き・・・・てるか?;」「・・・・;。」何とかという意味で手だけ何とか上げる
炎冷。「ファースト・キスの相手は・・・・ルーちゃんだったんだ。」「じゃぁ、今のマイラを作ったのも・・・俺達なのか?;」
こうして、何だかんだでファースト・キスの相手が騒いでいた当人だったという結果でした。皆様、お疲れ様でした♪
〜END〜
Q1.魔将軍なのに弱すぎでない?
A.私は特別な魔薬で力を制御されてから出場になるの。だからあんまり炎技を使わなかったのよ。そうでなかったら、炎冷以外のヤツだって
瞬殺しちゃうでしょ? By.マイラ